衣装は「タキシードを着崩したようなスタイル」で、そこにいた女性スタッフ全員が思わず歓声をあげてしまいそうになるほど、それはそれは素敵な出で立ちだったという。緊張のあまり言葉を失う彼女に対し、彼は「ぼくに気を使ってはいけない。お互い、プロフェッショナルとして、いい番組を作ろう」と言ってくれたのだという。
82才になってもなお、全て自分で決めている仕事のスタイルに驚かされた彼女がさらに驚いたのは、「3カメ(カメラが3台あるということ)だったのですが、彼はそれぞれのカメラに映る自分というのを一瞬で把握して、カメラ位置や高さを数センチ単位で変えるよう指示してきたこと」。まさに、プロフェッショナルだったわけだ。
帰国後、改めて『太陽がいっぱい』『山猫』『地下室のメロディー』『ボルサリーノ』など、“ドロン映画”をおさらいしたという彼女。初見も含め、計50本以上の作品を見直した結果、「美貌だけではない、計算しつくされた綿密な演技をする俳優さん」と思い直したという。
マスコミ嫌いと知られていたアラン・ドロンが、なぜ日本のテレビ局の番組に出ようと思ったのか。なぜ波瀾万丈の人生を語ろうと思ったのか。なぜスタッフや共演者にメッセージを残そうとしたのか。それは、9月22日夜、NHK BSプレミアムにて明かされる。
多くのF3(50才以上の女性)からの反響がいまから楽しみでならない。