ビジネス

右肩上がりの冷凍食品市場 家呑み向けおつまみ需要も牽引

冷凍食品は高齢化社会の心強い味方でもある(写真:アフロ)

 技術の進歩もあり、ひと昔前に比べれば冷凍食品のイメージ、ラインナップは様変わりし、われわれの食生活にしっかりと根付いている。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏がレポートする。

 * * *
 日本社会の高齢化や人口減少が続くなか、「中食」市場が賑わっている。とりわけ好調なのが冷凍調理食品だ。家庭での調理が難しくなった高齢者をはじめ、誰もが電子レンジで温めれば作りたてに近い味が味わえる。総務省の家計調査(総世帯)でも、2008年から9年連続で冷凍食品の家計消費支出が伸びている。

 冷凍食品が本格的に国内で普及し始めたのは、1964(昭和39)年に開催された前回の東京オリンピックでのこと。さまざまなホテルやレストランで使われたことで利用範囲が拡大。1970年代にはブームとなった「外食」向けに。1980年代には家庭向け冷蔵庫に冷凍庫が備わり、家庭向けの冷凍食品が続々登場するようになる。

 1980年代にはピラフ、グラタン、焼きおにぎりなどの軽食カテゴリーの冷凍食品が登場。その後、冷凍さぬきうどんのような主食カテゴリーからコロッケ、冷凍パンなどこの数十年で冷凍食品は急速に進化してきた。ライフスタイルの変化がそのまま、冷凍食品の進化につながっている。

 先行する冷凍食品メーカーは、より企画性の鮮明なシリーズを投入している。近年、活気があるのが、家飲み需要に向けたおつまみ展開だ。味の素冷凍食品は今年2月から「夜九時のひとり呑み」シリーズを売り出した。昨年の同社の調査によれば、成人人口の35%が週1回以上、家庭で飲酒をし、その半数が「ひとり呑み」をしていると判明。その層に向けて少量パッケージのおつまみ冷凍食品を発信していく。

 日本水産の「おうちおつまみ」シリーズのように明確に「おつまみ」を充実させるメーカーも増えた。さらに各コンビニのプライベートブランド(PB)商品にも、おつまみ仕様アイテムが充実してきている。「おつまみ需要」が冷凍食品という既存マーケットを掘り起こす牽引車となっている。

 そして最大のマーケットが高齢者、共働き向けの需要だ。特に老老介護や独居老人の場合、ガスコンロの使用には消し忘れなどの危険が伴い、慣れないIHクッキングヒーターには使いにくさが伴う。だが電子レンジ調理対応の冷凍食品ならば、日持ちもして必要な栄養も摂取できる。共働き家庭のおかず需要なども相まって、食卓の「食事」需要が高まっている。弁当需要は少子化の影響で頭打ちだが、セットで語られる「高齢化」が冷凍食品メーカーにとっての活路となりつつあるのは皮肉なところだ。

関連記事

トピックス

高橋藍の帰国を待ち侘びた人は多い(左は共同通信、右は河北のインスタグラムより)
《イタリアから帰ってこなければ…》高橋藍の“帰国直後”にセクシー女優・河北彩伽が予告していた「バレープレイ動画」、uka.との「本命交際」報道も
NEWSポストセブン
aespaのジゼルが着用したドレスに批判が殺到した(時事通信フォト)
aespa・ジゼルの“チラ見え黒ドレス”に「不適切なのでは?」の声が集まる 韓国・乳がん啓発のイベント主催者が“チャリティ装ったセレブパーティー”批判受け謝罪
NEWSポストセブン
歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン
安達祐実と絶縁騒動が報じられた母・有里氏(Instagramより)
「大人になってからは…」新パートナーと半同棲の安達祐実、“和解と断絶”を繰り返す母・有里さんの心境は
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《小島瑠璃子が活動再開を発表》休業していた2年間で埋まった“ポストこじるり”ポジション “再無双”を阻む手強いライバルたちとの過酷な椅子取りゲームへ
週刊ポスト
安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン