芸能

『Gメン’75』における「Gメン」とは何だったのか?

壮大なオープニングは今も伝説

 日本の刑事ドラマの歴史を語る際、決して外すことができないのが、1975年5月にスタートした『Gメン’75』(TBS系・1975年~1982年)だ。陽炎が立ちのぼる滑走路を横一列で歩く面々。壮大なテーマが流れ、そこにかぶさる「ハードボイルドGメン’75 熱い心を強い意志で包んだ男たち」のナレーション。土曜夜21時に強烈なインパクトを残したオープニングで、たちまち『Gメン’ 75』は高視聴率ドラマとなる。

 当時は一般的でなかった「ハードボイルド」の要素を前面に押し出し、個人的感情を捨てて非情な捜査に命を懸ける刑事たちの宿命を、時に陰惨なタッチで描いた。

 Gメンの立ち位置は「警視庁から独立した特別潜入捜査班」であり、やがて警察内部の腐敗を描くことも多くなった。ただし悲惨な内容だけでなく、香港カラテシリーズやスカイアクションシリーズなど、視聴者を楽しませるイベント性も随所に盛り込まれていた。

 歴代の女刑事を演じたのは、藤田美保子(現・三保子)、森マリア、夏木マリ、中島はるみ、范文雀など。代々、モデル顔負けの長身でスタイル抜群、そしてエキゾチックな美貌でハードなアクションをこなすというのが定番であり、視聴者を魅了した。

◆取材・文/石田伸也

※週刊ポスト2018年10月26日号

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