しかし、「何でも聞いてください」「私のことをどれだけ叩いてくださってもかまいませんし、何だったら他社に売ってくださってもかまいませんから」と豪語していた白石が頑なに口を閉ざした話題がある。1人の女性についてだ。

 白石の誕生日である10月9日、20代前半とみられる女性が泣きながら接見に訪れていた。列をなして接見を求める報道陣を続々と断り、白石がこの日面会したのは、彼女だった。長い黒髪の小柄な女性で、黒いキャップをかぶり、白いフード付きのパーカに、白いミニスカート、白いソックスという全身白ずくめは面会室の中でも一際目を引いた。

 白石の誕生日祝いなのか、手にケーキの箱を持っていたが、職員に「それ、持って面会室には入れないよ」と注意を受けていた。鏡を見て、念入りにグロスを塗り直し、彼女は面会室へと入っていった。

 後日、彼女について白石に聞くと、これまでの饒舌が一転、黙り込み「それは答えられません」とうつむいた。

「何を言うか…と思うでしょうが、たとえどんなにカネを積まれても、あの子のことだけは話せません。こんな凶悪犯の私にも、やっぱり、大切な存在っている。そんなことです…」

 その言葉を受け、最後にもう一度聞いた。あなたが手をかけた9人にも、あなたが「彼女」を思うように大切に思っている人がいたということに、なぜ今もなお思い至らないのか。

「それは欲の対象と、大切にしたい人ははっきり線引きされているので、正直、謝罪の気持ちもないし、本当になんにも思いません」

 また同じ話か、とうんざりした口調だった。

※女性セブン2018年11月1日号

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