最初は丸2日かかって、正直、においや“映像”がきつかったですが、その経験のおかげで、最後の方は、2~3時間ですべてが処理できるまでに磨かれました。
遺体と暮らすことにも不思議と抵抗はありませんでした。持ち出したときに誰かに見られたり、職務質問を受けたりして犯行が発覚するのが怖くて、そのままにしていたんです。そのうち捨てにいこうと思っていたのですが…。
6畳のワンルームに大量のクーラーボックスがあるので、当然、被害者のかたたちは疑問を口にしていました。でも、引っ越してきたばかりだから収納スペースがなくて、釣り好きの友達から借りて、洋服やアクセサリーを入れていると言ったら、みんな納得してくれました。
ただ、においには気を使いました。消臭するために、香水や芳香剤、消臭剤を振りまいて…。だから、部屋に来た女の子たちには一度も『臭い』と言われたことはありませんでした」
時に丁寧な言葉を使いながら、大声で笑いながら、身振り手振りを交えて、饒舌に語る。犯行に対して後悔することはないかと問うと、
「唯一、後悔することがあるとしたら最後の被害者の携帯の電源を切り忘れたこと。これは完全に、私の油断。最初の方は証拠隠滅にすごく気を使っていましたが、人間とは不思議なもので、徐々に慣れてしまうんです」
と言う。9人目の被害者の携帯電話が発した電波によって、犯行現場となったアパートの位置が特定され、逮捕につながったからだ。なぜここまで赤裸々に語るのか。
「それは検察、警察、そして私の味方であるはずの弁護士にも『申し訳ないけれど、諦めてほしい』と言われました。それを聞いて、『だったら最後にうまいものを食って、欲を満たして、極刑になってやろう!』って!」
面会中、白石は「お金」に対する執着をたびたび見せた。面会に来た記者に、「お金をくれたら事件のことを全部話す、お金があればチョコレートやカレーなどが買えるから」 と発言したと報じられたが、本誌記者にも、指でお金のマークを作ってニヤリと笑って見せた。
また、送検時はマスコミは顔を手で覆っていたが、「このときに顔を隠したのは『何で勝手に写真撮っているんだ、撮るならカネ払え!』と腹が立ったから」と語った。