ライフ

東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨…被災地のペットの状況

東日本大震災を機に、ペットとの災害対策が見直されるように(SORAアニマルシェルター提供)

 地震や豪雨が相次ぐ昨今、愛するペットともに被災するということもありうるかもしれない。しかし、実際にペットと一緒に被災した場合、どんなことが起きるのか分からないという人も多いだろう。そこで、実際に被災地で何が起きていたのか、体験者のエピソードを紹介する。

■東日本大震災

 福島で被災したペットの保護活動をしているNPO法人・SORAアニマルシェルターの二階堂利枝さんは、当時の様子をこう語る。

「震災から14日後に、置き去りにされた犬や猫たちにペットフードを届け始めたんです。路上には、車にひかれた子や、家の前でつながれたまま死んでいる子もいて…。当時は、多くの人がすぐに自宅に戻れると聞かされていたため、ペットを置いて家を出た人がほとんどだったんです。私たちの活動に対し、“人間が大変な時に、動物を助けるなんておかしいんじゃない?”と白い目で見る人たちもいました」

 あれから7年、こうした悲惨な状況の反省から、国をあげて、ペットとの災害対策が見直されるようになった。

■熊本地震

 東日本大震災を視察した経験から、熊本市内にペット同伴の避難所を造っていた竜之介動物病院院長の徳田竜之介さん。その備えは、熊本地震で生かされた。

「私の病院では、約1000人がペットといっしょに室内で過ごせる“同伴避難所”を設けていました。そこで感じたのは飼い主さんたちの力強さ。ペットという守るべきものがある人は強くなれるんですね。ただ、指定避難所に認定されていなかったので物資が1週間届かないという問題も。民間の避難所が認められるには、まだ時間がかかりそうです」

■西日本豪雨

 今年7月に発生した西日本豪雨では、被害の大きかった岡山県総社市で、ペットも屋内で飼い主と過ごせる“同伴避難所“が設けられた。これは、片岡聡一市長の「ペットは家族」の一声によって実現したもので、全国初の公的同伴避難所となった。避難所の選定も猛暑であることを考慮し、エアコンが設置された市庁舎の会議室にしたという。その後、獣医師やペット訓練士の協力のもと、同伴避難者全員が退所するまで運営された。

※女性セブン2018年11月8日号

関連記事

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン