ライフ

味噌汁にブーム到来 塩分過多のイメージは誤りか

塩分過多のイメージは間違い?

「塩分が多いから体に悪いのかも」という印象のあるみそ汁。しかし最近は、みそ汁を取り上げた健康特集があふれ、にわかにブームが到来しているのだ。背景には、味噌が健康に及ぼす影響について、新たに研究が進んでいることがある。自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部の小林弘幸教授がいう。

「もともと味噌の原料の大豆にはたんぱく質やビタミン、食物繊維など豊富な栄養素が含まれていますが、発酵させることで腸の動きを活性化する善玉菌が豊富になる。腸内環境が整うと、ストレスや不眠の解消につながり、大腸がんのリスク軽減も期待できます」

 最近の研究では、「塩分過多になる」というイメージが必ずしも正しくないことが明らかになってきた。広島大学名誉教授の渡邉敦光医師は2017年7月、アメリカの高血圧学会誌に「味噌のなかの塩分はNaCl(塩化ナトリウム)とは異なる」という研究論文を発表した。

 実験でラットに塩分の多い餌を食べさせるとすぐに脳卒中を起こして死亡するが、同じ塩分を含む味噌を加えた餌では脳卒中の発生が遅れ、〈味噌を食べても血圧には影響しないし、脳卒中も遅延する〉と結論づけた。

 ただ、味噌だけを毎日食べ続けるのは難しい。そこで、「みそ汁」で飲むメリットがある。

「毎日無理なく口にでき、その上、具材も“かさ”が減るので、サラダよりも多くの量の野菜を摂れる。脳卒中や心筋梗塞につながる血糖値スパイク(食後、急激に血糖値が上がる現象のこと)は、糖質を多く含んだ食品を初めに摂ると起こりやすくなりますが、“まずは汁ものでハシを湿らす”という慣習にならって多くの食物繊維を摂取しやすいみそ汁を初めに飲むことで、血糖値スパイクのリスクを下げることにつながる」(小林氏)

※週刊ポスト2018年11月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン