ライフ

マンションのモンスター住人 理事会ボスの私物化も横行

マンション内のルールやマナーは「治外法権」か?

 マンションの住人間によるトラブルがあちこちで起きている──。10月には神戸市内のマンションで6年にもわたって同じマンション住人に誹謗中傷を繰り返したとして、46歳の女性が逮捕されたばかりだ。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、手に負えない“モンスター住人”たちの困った実態をレポートする。

 * * *
 人間の集団というものは様々な揉め事が起こる。それはマンションとて同じだ。

 会社や学校などでは組織の存在目的がはっきりしている。さらに責任の所在も明解で、上下関係も定められている。法律を持ち出さずともよい程度の揉め事は、組織の内部で解決が図られる。簡単に言えば、上に立つ者が解決策を示して、下の人々がそれに従う。

 しかし、マンションの場合は会社や学校とは組織の成り立ちが違う。基本は1住戸1票の民主主義。だから市区町村に近いのだ。

 それだけに、揉め事の解決方法がやや複雑だ。会社や学校なら、揉め事を起こした張本人を場合によっては解雇や退学処分にできるという最終的な解決手段がある。マンションの管理組合にも「競売申立」という手段があるにはあるが、それはよほどの場合だ。さらに、訴訟の判決を取らなければならないから、手続きに時間もお金もかかる。

 マンションの場合、揉め事の張本人となる“モンスター住人”は2種類に分かれる。理事会側と一般区分所有者側だ。

 区分所有者側が起こす揉め事は「多彩」だ。川崎市のあるタワーマンションでは、上層階のバルコニーから2リットル入りのペットボトルが度々落とされる事件が起きた。たまさか大事には至らなかったが、地上の人に当たればただのケガでは済まなかったかもしれない。

 この事件は、後に犯人が突き止められた。一流私大の学生。ストレス発散でモノをバルコニーの外に放り投げていたらしい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

西武・源田壮亮の不倫騒動から3カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武・源田壮亮の不倫騒動から3カ月の現在》元乃木坂の衛藤美彩、SNSの更新はストップのまま…婚姻関係継続で貫く「妻の意地」
NEWSポストセブン
今年9月の19才の誕生日には成年式が予定されている悠仁さま(2025年3月、東京・文京区。撮影/JMPA) 
悠仁さま、卒業式後はクラスメートと2時間以上の名残惜しい“お別れタイム” 宮内庁発表の「卒業文書」に詰め込まれた“こだわり” 
女性セブン
お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。東京地検が不同意性交と不同意わいせつの罪で在宅起訴したことがわかった
《ジャンポケ斉藤が不同意性交罪で起訴》20代女性との“示談交渉”が決裂した背景…現在は“表舞台に戻れない”と芸能以外の仕事に従事
NEWSポストセブン
亡くなる前日、救急車がマンションに……
《遺骨やお墓の場所もわからない…》萩原健一さん七回忌に実兄は「写真に手をあわせるだけです」明かした“弟との最期の会話”
NEWSポストセブン
大阪桐蔭の西谷浩一監督と同校OBのモノマネ芸人・小島ラテ氏(産経新聞社)
【こぶりな西谷浩一監督!?】大阪桐蔭出身のモノマネ芸人・小島ラテが打ち明ける原点「西谷先生のクラスでした」「何かと特徴のある先生ですからマネしやすい(笑)」
NEWSポストセブン
達川光男氏の「2025年プロ野球順位予想」は?
【2025年プロ野球順位予想】達川光男氏「どんぐりの“セ比べ”よ。優勝はカープにするしかないじゃろ」
週刊ポスト
3月24日午後4時半すぎに事件は起きた
《高齢ドライバー事故》あんたが轢いたのは人間やで!」直後に一喝された古橋昭彦容疑者(78)は呆然とうなだれた…過去にも「気づいたら事故」と供述【浜松・小学生姉妹死傷】
NEWSポストセブン
試合後はチームメートの元を離れ、別行動をとっていた大谷翔平(写真/アフロ)
【大谷翔平、凱旋帰国の一部始終】チーム拠点の高級ホテルではなく“東京の隠れ家”タワマンに滞在 両親との水入らずの時間を過ごしたか 
女性セブン
Number_iのメンバーとの“絆”を感じさせた永瀬廉
キンプリ永瀬廉、ライブで登場した“シマエナガ”グッズに込められたNumber_iとの絆 別のグループで活動していても、ともに変わらない「世界へ」という思い 
女性セブン
すき家の対応の「マズさ」とは(時事通信フォト、写真は東京都港区の店舗)
「ネズミと虫とはワケが違う」「なぜ公表が2か月後だったのか」すき家で“味噌汁にネズミ混入”、専門家が指摘する「過去の前例」と「対応のマズさ」
NEWSポストセブン
春の園遊会では別の道を歩かれる雅子さまと紀子さま(2024年10月、東京・港区。撮影/JMPA) 
春の園遊会が60年ぶりの大改革 両陛下、秋篠宮ご夫妻、愛子さま、佳子さまが3組に分かれ“皇族方の渋滞”を解消、“じっくりご歓談”“待ち時間短縮”の一石二鳥 
女性セブン
プロデューサーとして本作のスタッフィングなどに尽力したシンエイ動画の佐藤大真さん
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』プロデューサーが明かす「王道」を意識した「敵キャラ」の魅力
NEWSポストセブン