高橋一生(37才)は、共演者でマンガ好きの広瀬アリス(23才)に『カノン』を推薦。菅田将暉(25才)も本作の大ファンだ。
『カノン』の作者、米代恭さんは1991年生まれの女性漫画家。「恋愛は苦手」だそうだが、「ふたりが結ばれない恋愛なら描けるかもしれない」と編集者に言ったことがきっかけで本作は生まれたという。米代さんは、不倫マンガが人気の理由についてこう話す。
「安定した関係性より傷つくことが前提の恋愛の方が陶酔感やドライブ感があるからではないでしょうか。不倫は、当事者だったら壮絶に面倒なうえに幸せになれるか定かではない。フィクションですませた方がいいと思います」
『1122』(講談社)は、夫の不倫を妻が公認しているというケースを扱った作品。当初は夫の婚外恋愛に口を出さない約束だった妻だが、次第に不倫相手に心を奪われる夫に不満がたまっていったり、自分の性欲を持て余して女性用風俗店のドアを叩いたりと、複雑に変化する心境をていねいに描いている。
「“いい夫婦”関係ではあっても、もう男女じゃない感覚がリアルに描かれていて、自分自身にも身に覚えがある。本当に共感できるんですよね」(38才・専業主婦)
『1122』は社会に対する批評的な視点が入っているところがいいと語るのは前出の小田さんだ。
「結婚という制度そのものに無理があるんじゃないかというところからスタートしている。今の婚姻制度や、恋愛のあり方に疑問を持っている人にはオススメです。この作品もそうですが、女性が主体的に恋愛する不倫マンガが増えたのは、不倫をするかどうかは別問題として、女性も自由に欲望を表しやすくなった背景がある。不倫はある意味で自由の象徴。男性の不倫だけが“男の甲斐性”だといわれ、大目に見られていた非対称性が解消されつつあります」
秋の夜長のお供に不倫マンガも面白そうだ。
※女性セブン2018年11月29日・12月6日号