さいとう:それから、これだけ長くやっていると、「飽きないですか」と聞かれることがある。プロが「飽きた」と口にしてどうするんだと言ってやるけどね。農家が「米を作るの、飽きた」と言いますか?
佐藤:少しでも手抜きしたら、作物が台無しになってしまいます。
さいとう:その通り。私は、老婆心ながら、いまの日本人に “プロ意識”が欠ける人が多いように思えて、それが心配でたまりません。政治家も官僚も“プロ意識”のない連中ばかりに見える。
佐藤:逆の見方をすれば、“プロ意識”のある人間は、生き残れる時代かもしれませんね。ユーチューバーやブロガーもそうですが、端から見ているとラクそうですが、毎日のように新しいコンテンツを生み出すのは並大抵ではありません。続けられるのはやはり“プロ意識”のある人。ない人間はすぐに淘汰されます。
※佐藤優、さいとう・たかを・著/『ゴルゴ13×佐藤優 Gのインテリジェンス』より