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さいとう・たかを氏 ゴルゴ13連載を50年続けられるワケ

さいとう:ただスタッフが替わるのは寂しいね。自らの意思で、次の場所に飛び込むならば応援するけれど、私の片腕だった石川フミヤスと武本サブロー、この両氏は病気で逝ってしまった。両腕がもがれたようで、いまでもその悲しみが残っています。

佐藤:チームでいうならば、ゴルゴも一匹狼のようにみえて、人脈を駆使していますね。チームで解決する回もあるほどです。

さいとう:どんな仕事もそうですが、たったひとりでできる仕事などありません。どんなチームを組むか、どうチームをマネジメントするか。どんな仕事でも、それが成功の秘訣ではないでしょうか。

◆“孤独”だからこそ生まれるものがある

さいとう:でも、仲間とベタベタつるめばいいかといえば、それは違う。最後はひとりの決断が問われます。

佐藤:ものを生み出すという仕事自体が、ひとりでいることに耐えられる資質を求めている部分もあります。仮想通貨を扱った『最終通貨の攻防』の中で、「数学者って奴はな……天才になればなるほど孤独なんだよ」という台詞が出てきましたが、これはクリエイティヴな仕事全般にいえる真理だと思います。ゴルゴが孤独であることは、言わずもがなです。

さいとう:私は自分が「横井庄一さんみたいじゃないか」と思うことがあるんです。

佐藤:戦後27年間、グアムのジャングルにいた、あの横井庄一軍曹ですか? 「恥ずかしながら帰って参りました」と言った、あの……。

さいとう:そう、27年間ジャングルに隠れていたあの横井さん。横井さんはジャングルの中でひとり生き延びるために、いろいろな感情を押し殺していたと思うんです。私は横井さんの心境がよくわかるんです。

佐藤:どういうことですか?

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