ライフ

さいとう・たかを氏 ゴルゴ13連載を50年続けられるワケ

50年超にわたって『ゴルゴ13』の連載を続けているさいとう・たかを氏

 元外務省主任分析官の佐藤優氏と、『ゴルゴ13』作者さいとう・たかを氏が、「ゴルゴ(通称G)のインテリジェンス」を語り合う短期集中連載の第5回。ゴルゴと2人の仕事に共通する、「チームマネジメント」と「ひとりの決断」のバランスの取り方とは?

 * * *
さいとう:『ゴルゴ13』を50年以上も休まずに続けてこられたのは「チーム」でやっていた、というのも大きいでしょうね。

佐藤:ビッグコミックの連載に目を通すと、作品の最後に「制作スタッフ」が紹介されています。そこには、構成、構図、脚本、作画……と10人以上の名前が並んでいます。

さいとう:この世界に入る時に「絶対にひとりではできない」と思っていたんです。

佐藤:なぜですか? たいていの漫画家さんは、アシスタントはつけますが、基本的にはひとりですよね?

さいとう:ドラマを考える才能と絵を描く才能というのは、まったく別の才能でしょ。

佐藤:たしかにそうです。

さいとう:チャップリンのような天才は別ですよ。彼は映画の監督、脚本、主演……と全部ひとりでやった。でもそのあと、チャップリン2世は現れましたか? いまの漫画界のシステムは、ひとりの作家に「チャップリンになれ!」と言っているようなものです。手塚治虫ならばできたかもしれませんが、彼も天才。天才の出現を待っていたのでは、業界が先細ってしまう。

佐藤:チームで作品を作る利点は、作業の問題だけでなく、新陳代謝ができることも大きいと思うんです。スタッフは入れ替わりがあると思いますので、スタッフがひとり入れ替わるたびに、新しい風が入ってくる。自然と時代の空気を取り込むことができます。それに『ゴルゴ13』では、外部の人材の脚本も採用していますから、古びるということがありません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン