マンションの資産価値を決めるのは9割が立地だ。千代田区の番町や渋谷区の代官山といったブランドエリアでもない限り、立地とは最寄り駅の格と距離。このマンションなら、駅にいちばん近い住棟で「勝どき駅から徒歩17分」ということになる。
15年後、勝どき駅周辺で中古マンションを探している人は、まず「スーモ」などで検索を掛ける。選ばれる検索範囲は「徒歩5分以内」と「徒歩10分以内」がほとんどだろう。他に「徒歩15分以内」というボタンもあるが、そこまで範囲を広げてくれる人は全体の5%もいないはず。ましてや「20分以内」は……。
さらにこういう大規模マンションの場合、築10年を過ぎると中古で売り出されている住戸が常時数十物件という状況になる。中には売り急ぐ方も出てくるので、相場が崩れやすい。特に不況期には急落しやすい物件になる。
最後に、もうひとつ気になるところは、引渡し時の金利だ。今のゼロ金利政策が4年半先まで続いているだろうか。少なくとも、その時点で黒田日銀総裁は他の誰かに交代しているはずだ。そして、住宅ローンの金利は今より上がりこそすれ下がる余地はほとんどない。返済プランを無理目に組んでおくと、引渡し時に想定外の事態を招くことも考えられるだろう。