ビジネス

SUVに囲まれる15代目クラウン COTY戴冠の可能性は?

新世代技術を駆使したトヨタのクラウンとカローラ(EPA=時事)

 自動車業界のニュースは、日産自動車のカルロース・ゴーン元会長の逮捕一色になってしまっているが、毎年、年末は日本を代表する“今年のクルマ”を決める「カー・オブ・ザ・イヤー」が華々しく発表される季節だ。果たして、今年のベストカーは何か──。佃モビリティ総研代表の佃義夫氏がレポートする。

 * * *
 カーオブザイヤーは、その年の1年間で国内市場に投入された新型乗用車の中からベストカーが選ばれるのだが、今年は日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)が三菱自動車の「エクリプス クロス」、日本自動車殿堂がマツダの「CX-8」をカーオブザイヤーに選んだ。これに12月上旬にCOTY(カー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン=コティ)が最終選考を行うことになっている。

 日本のカーオブザイヤーは、現状でCOTYとRJCに日本自動車殿堂の3つの主催がそれぞれのベストカーを選んで発表している。つまり、3つの主催者によるカーオブザイヤーがあるということだ。かつては、自動車雑誌がそれぞれカーオブザイヤーを選んで“カーオブザイヤー氾濫”と言われた時代もあったが、いろいろな経緯を経て現在の流れに至っている。

 その中で、COTYは前年の11月からその年の10月までに国内発売された全ての乗用車の中から年間を通じて最も優秀なクルマを選ぶこととし、国産・輸入車一体でベストカーを選ぶ方式にした。これに対し、RJCと日本自動車殿堂は、カーオブザイヤーは国産車(日本車)から選んで輸入車をインポートカーオブザイヤーとして別に選ぶ方式をとっている。

 RJCは、11月13日に最終選考会を行い、2019年次RJCカーオブザイヤーに三菱「エクリプス クロス」を、日本自動車殿堂は、15日に2018~2019カーオブザイヤー賞の表彰式でマツダ「CX-8」を表彰した。

 RJCが三菱エクリプス クロスを選んだ理由は、

「スタイリッシュなクーペスタイルのコンパクトSUVとして、その流麗なフォルムが高く評価されたことに加え、三菱自特有の電子制御4輪駆動技術『S-AWC』により高い走破性と操縦安定性を確保したこと。また、新開発1.5L直噴ターボエンジン+スポーツモード付CVTは、中低速トルクを向上することで、活発な走行性能を実現したこと」

 とする。一方、日本自動車殿堂がマツダCX-8を選んだ理由は、次の通りだ。

「スタイリッシュな3列シートSUV、卓越した運転性能と効率的な室内空間を備え、運転負荷の軽減と先進の予防安全技術が搭載されていることが評価された」

 三菱自のエクリプス クロスと、マツダのCX-8。ともにSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)と呼ばれる多目的乗用車である。エクリプス クロスは、三菱自が4年ぶりに国内投入した新型車であり、三菱自の世界戦略車の位置づけであること。CX-8は、マツダが追求する内燃機関の進化のスカイアクティブガソリンエンジンとディーゼルエンジンを搭載して、3列シートSUVという多人数乗用車の新たな提案をしたことである。

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン