5大新潮流居酒屋の比較

 こうした新業態の居酒屋が、串カツや鳥の唐揚げなどの専門店として展開されるのはなぜか。フードジャーナリストのはんつ遠藤氏がいう。

「メニューを絞ることで、仕入れコストが抑えられ、調理の手間も省けて人件費も削れる。そのため、総合居酒屋大流行の時代では考えられないほど、低価格でありながら味にこだわった商品を提供できるようになった。なかでも鶏肉は安く仕入れられるため味の工夫がつけやすく改良の余地が大きい。居酒屋チェーンがこぞって参入しています」

◆回転率の良さで儲ける

 こうした争いになると、もともと仕入れ・流通網を整えている大手チェーンにはアドバンテージがある。ビジネスチャンスを狙う新興チェーン店は新たな“一品突破メニュー”を模索しており、その本命として期待されているのが餃子だ。

 餃子専門居酒屋として急成長しているのが「ダンダダン酒場」である。2011年に1号店を開業し、現在は関東中心に65店舗まで伸ばしている。「餃子とビール」は呑兵衛にとっては定番の組み合わせ。ほとんどの店舗で開店が11時台とあり、ランチにきたサラリーマンに混じり、酒と餃子を楽しむシニア客も見られた。

「シニアの場合、たくさん食べなくてもよいという客が多く、看板メニューと酒を注文して短時間でさっと帰る。オペレーションを簡略化し回転率を上げることで、昼はファミリー、夕方はシニア、夜は若者というようにさまざまな世代で細かく客層を入れ替えることができている」(食品ジャーナリスト)

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