ライフ

AI医療診断 患者の肉体的負担を軽減し医療費負担も抑制

がんの疑いをAIが判定する胃の内視鏡検査

 がんなどの病変の「見落とし」が相次いでいる。2018年6月には、千葉大学病院で画像診断ミスにより患者2人のがん発見が遅れ、死亡していたことが発覚。患者や家族からすれば“本来、助かった命”が、医師のミスで失われているのである。そんななか、「AI」に期待が集まっている──。

 AI医療診断は【1】画像を読み取り病気かを判断、【2】過去のデータから病気リスクを検知、【3】治療の判断の3ジャンルに分かれる。とりわけ進化が速いのが、【1】の画像診断だ。日本医師会・学術推進会議「人工知能(AI)と医療」の委員である門田守人・大阪大学名誉教授がいう。

「CTやX線などの画像診断ではどんどんAIが浸透すると思います。学習に使えるデータが多ければ、“写った腫瘍を見つける”といった『正解のある問い』はAIの最も得意な分野です」

 政府も2019年度予算などでAI関連予算を1000億円超確保し、前年度から倍増させるとみられている。政策的な追い風もあり、システムの開発・導入が次々と進んでいる。

 見落としの原因の一つは医師の「作業量の多さ」だ。

 広島大学病院は胸部・腹部の臓器や大動脈などのCT画像診断の支援にAIを用いるシステムの導入を進める。「実用化時期は未定」(広報担当)だが、画像の仕分けや文献から似た症例を探すなどの医師の作業時間が最大6分の1に短縮できる可能性があるという。

 肺がんの見落としが減ったり、大動脈のCT画像で血栓が見つかれば、脳卒中を防げる可能性もある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン