「相手は地球である」というのが磯田氏の覚悟で、土砂崩れの前兆である地鳴りや異臭を察知する。ヒトコトでいえば歴史のインディ・ジョーンズですね。興味ある古文献展示会があれば、自転車のペタルを踏みこんで駈けつけ、陰陽師・安倍晴明の塚をめざして、妻が差し出すリンゴ一切れをくわえてバスターミナルへ急ぐ。
軽やかなフットワークでスピーディー。古文書を新聞のようにスラスラと読む知力。この新書一冊を読んでおくと、いざというとき「一命をとりとめる」かもしれない。
さて「南海トラフはいつ動くのか」「津波時の川は『三途の川』」「井戸水が枯れたら津波がくる」「東日本大震災の教訓」など、貴重な防災術が具体的に示されている。一番大事なことは「自分の命は自分で守る」という覚悟です。
※週刊ポスト2019年1月1・4日号