「バージニア大学に収集されている、前世の記憶を持つ子供たち2030例を分析すると、子供たちが“前世について語り始める平均年齢”は2歳10か月、“自分から話さなくなる平均年齢”は7歳4か月でした。
前世の記憶は徐々に薄れ、8歳までにかなりの部分を喪失し、成人するまで覚えていることはまれだという結果が出ました。さらに、幼い子供が語った『前世で出会った人』を調べると、その人物が実在していたケースは72.9%ありました」(大門教授)
実はバージニア大の研究の発端は、江戸時代の日本人についての文献だった。
文政5年(1822年)、現在の多摩地方に住んだ「勝五郎」という少年が、生まれる前は「藤蔵」と呼ばれ、6歳の頃に病気で亡くなったことを話したという。その記録は、国学者の平田篤胤が著わした『勝五郎再生記聞』や、元大名の池田冠山によって残されている。明治時代に民俗学者のラフカディオ・ハーンによってアメリカに伝わり、バージニア大研究のきっかけのひとつとなったという。
勝五郎について調査を行なう、日野市郷土資料館職員の北村澄江氏が語る。
「記録によると、勝五郎が“藤蔵”として暮らしていた程久保村を訪れた際、勝五郎は『この屋根はなかった』『タバコの木もなかった』と、村の変化を正確に言い当てたそうです」
※週刊ポスト2019年1月11日号