スポーツ

吉田沙保里さんにタックルした日 やっぱり彼女は最強だった

吉田沙保里さんと筆者・石原壮一郎氏(右)

 平成を代表する女子アスリートが身を退くことを決めた。日々、大人力を研究するコラムニスト・石原壮一郎氏が述懐する。

 * * *
 偉大な、あまりにも偉大すぎる選手が現役を引退しました。レスリング女子で、五輪と世界選手権を合わせて16大会連続世界一を成し遂げた吉田沙保里さん。10日には都内で記者会見を行ない、いつもの誠実な口調で「レスリングはすべてやり尽した」という思いから引退を決意したことや、今までの応援への感謝などを述べました。

 いやいや、感謝するのは応援させてもらったこちらのほうです。長いあいだ本当にお疲れさまでした。今後はきっと指導者として、その力を発揮してくれることでしょう。記者会見でも意欲を述べていましたが、バラエティ番組での活躍も楽しみです。

 彼女の最大の武器は、目にもとまらぬ高速タックル。不肖石原、6年前にとある囲み取材の場で、恐れ多くも吉田沙保里さんに高速タックル(もののたとえ)を試みたことがあります。そこで思い知らされたのは、彼女は「霊長類最強女子」であると同時に「大人力最強女子」でもあるということでした。

 彼女は三重県出身。2013年1月のある日、東京ミッドタウンで開催された「三重フェア」のオープニングセレモニーのゲストとして登場し、ステージ上で鈴木英敬三重県知事と軽妙なトークを繰り広げていました。前年にロンドン五輪でオリンピック三連覇を達成し、国民栄誉賞を授与された直後のことです。

 同じ三重県出身で、伊勢うどんの魅力をあの手この手で発信したいと意気込んでいた私は、伝手をたどってオープニングセレモニーの記者席に潜入。その少し前に吉田選手(当時)が、自身のブログで「最近食べたおいしかった食べ物」として伊勢うどんを紹介していて、きっと伊勢うどんの話が出るに違いないという予想と期待を胸に秘めていました。

 はたして、予想は大当たり! トークの中で鈴木知事が「吉田さんは、伊勢うどんもお好きだとか」と話を振って、しばし伊勢うどん談議が繰り広げられました。当時は伊勢うどんの知名度はまだまだ低く、今以上に「コシのなさ」への風当たりも強めでしたが、吉田さんは愛情たっぷりに「おいしいですよね」「あのやわらかい感じが大好きです」と念入りに称賛してくれたのです。じつに感動的な光景でした。

 セレモニー終盤の囲み取材。せっかくのチャンスを逃すわけにはいきません。大勢の記者が吉田さんを囲む中、勇気を振り絞って手を上げ、質問をぶつけました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

安達祐実と元夫でカメラマンの桑島智輝氏
《ばっちりメイクで元夫のカメラマンと…》安達祐実が新恋人とのデート前日に訪れた「2人きりのランチ」“ビジュ爆デニムコーデ”の親密距離感
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《安達祐実の新恋人》「半同棲カレ」はNHKの敏腕プロデューサー「ノリに乗ってる茶髪クリエイターの一人」関係者が明かした“出会いのきっかけ”
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン