国内

「告発」と「告訴」、「被告」と「被告人」 何が違う?

すべての起訴内容を否認しているゴーン被告(時事通信社)

 会社法違反(特別背任)などの罪で追起訴され、東京拘置所に収容(1月22日時点)されている日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告(64才)。ニュースでよく耳にする一文だが、はたしてどこまで正確にその意味を把握できるだろうか。一連の流れに沿って、山下汐里弁護士に解説してもらう。

◆「告発」と「告訴」

 ゴーン氏逮捕のきっかけは内部告発。さて、「告発」と「告訴」はどう違うのだろうか。

「第三者によって申告されるものが『告発』、被害者やその親権者等が申告するものが『告訴』と呼ばれ、区別されています。強制性交等罪のような一定の犯罪においては、『告訴』が起訴するための条件とされています。

『告発』『告訴』はともに警察などの捜査機関に犯罪事実を訴えるもので、犯人の処罰を求める申告者の意思が込められていますから、それらが受理されれば捜査が開始されます。

 他方、似た用語に『被害届』がありますが、こちらは受理されても捜査が始まるとは限らず、捜査を開始するかどうかの判断材料となります」(山下さん・以下同)

◆「被告」と「被告人」

 ゴーン氏は「被告」だが、「被告人」との違いはなんだろう。

「法律的には、民事で訴えられれば『被告』、刑事事件であれば『被告人』となります。例えば、AがBさんを一方的に殴って全治1か月のけがを負わせた場合、Aには民事上、Bさんに対する治療費などの支払義務が生じますから、民事裁判を起こされる可能性があります。また、傷害罪も成立するので、刑事事件として起訴されるかもしれません。

 つまり、Aは民事裁判を起こされた場合には『被告』、刑事裁判が提起された時には『被告人』と呼ばれるのです」

 ただし、テレビ等の報道では、刑事、民事ともに「被告」という呼び方が多い。

※女性セブン2019年2月7日号

関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」