まさに鬼畜の所業であるが、実はこの手法は、かつて繁華街にわんさかいた違法スカウトが行っていた手法と同一のものだ。彼らが法律により厳しく取り締まられた末に、一部風俗店関係者や反社会勢力によって生み出されたのが、学生やサークルを使うという「脱法的」なやり口なのだ。都内の風俗店関係者によれば、このようなやり口が、学生の間で蔓延しつつあるのだという。
「街角で声をかけるキャッチやスカウトは一発でパクられますが、学校やサークルで接点を持ったという関係を使って“知人だったので紹介しただけ”ということにすれば、パクられにくい。紹介先の風俗店や飲食店からバックを受け取っているなどという証拠があればアウトですが、そのあたりは割と簡単に隠せます」
SNS上には確かに「仕事を紹介します」「簡単に稼げます」などといった大学生の、中には高校生と思われるユーザーの書き込みが多くみられる。スカウト業だけではない。情報商材の販売など「ねずみ講まがい」の“ビジネス”への参加を促す書き込みをする学生も後を絶たず、これらを具体的に取り締まる法整備もなされていないためか、事実上の野放し状態であるのだ。
冒頭で紹介した京都の事件は、自称ビジネス系大学生達の末路ともいえる事案ともいえよう。眼前のカネに目がくらみ、モラルや遵法意識を欠いた連中の暗躍を、決して許してはならない。