ライフ

「グレープフルーツ離れ」が家計調査で判明 10年で消費6割減

酸っぱさが魅力だが(写真:アフロ)

 食のトレンドの動きはイメージしているより早いものだ。振り返ってみて驚くことも少なくない。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

 * * *
 今年も総務省の家計調査の発表時期が迫ってきた。毎年の細かな数字の積み重ねを見ていると、肉食の進撃、魚食文化の衰退、卵食の関西……などなど食傾向や地域性の変化が伺える。

 家計調査の収支項目分類は「家計消費の変化に対応するため、原則として消費者物価指数の基準改定年に合わせて5年ごと」に見直しを行っている。そして来年2020年はその項目分類の改定年度に当たり、本年度の家計調査の発表を前に「家計調査2020年収支項目分類改定(案)」が作成され、パブリックコメント(意見)が募集されている。

 この「案」からも食や暮らしのまわりにある時代の傾向が見えてくる。

 例えば今年の改定案で見ると、真っ先に上がっていたのは、これまで項目として立っていた「グレープフルーツ」が「他の柑きつ類」に統合されるという案だ。理由として挙げられているのは「消費支出に占める構成比が継続的に低くなっているため」。

 確かに近年、スーパーや青果店の店頭を見ても、グレープフルーツの存在感は薄い。国内で販売されるグレープフルーツは多くがフロリダや南アフリカ産だとされるが、特に産地や名ブランドをPRするわけでもなく、積極的なプロモーションをかけている事業者や団体も思い当たらない。

 実際、消費支出の推移を見てみると、2008年には全国平均で589円だったのが、2017年には231円しかグレープフルーツに支出されていない。

 他の果物を見るとりんご4177円(2008年)→4252円(2017年)、みかん4124円→3757円。梨1686円→1525円、ぶどう1991円→2214円、いちご3072円→2629円、バナナ4218円→4022円。販売期間の長いメジャー果物は根強い人気を誇っている。

 その他の嗜好性の強い果物も、柿967円→932円、桃1170円→984円、すいか1226円→1130円、メロン1260円→943円、キウイフルーツ810円→1340円と一部を除き、果物への支出は減少気味ではあるが、10年間で消費支出が半減以下の果物はない。年間支出が231円、さらにこの10年で60%以上も支出が減っているとなれば、項目の統合も致し方のないところか。

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン