トロフィーを前に笑顔の大坂なおみ(写真/ゲッティイメージズ)

「吉川さんはすぐに女子代表監督や強化本部長に報告し、以来、大坂選手が日本に来た時には、ナショナルトレーニングセンターを利用できるようにするなど、環境面などで地道な支援を続けてきました。吉川さんが日本代表のコーチとして大会に派遣された時には、必ず大坂選手と会う時間をつくるなど、長い時間をかけて密な関係を築いてきたんです」(前出・テニス関係者)

 元プロテニス選手で解説者の村上武資氏が振り返る。

「当時、私は女子プロ選手の指導をしていたんですが、“アメリカにすごい才能の女の子がいる”と話題になったんです。15才時点で身長が180cmに達していて、ずば抜けた才能とパワーがあった。日本女子であんな子は見たことがありませんでした。国籍のこともあるし、海外ではテニスは巨大なスポーツビジネスですから、テニス協会でできることは限られる。吉川さんが支援を続けていくのは決して簡単なことではなかったでしょう」

 2016年、大坂選手が全豪オープンの本戦で3回戦に進出すると、アメリカのテニス協会も彼女に注目。「アメリカ代表」になるよう、猛烈なアプローチを仕掛けた。

「アメリカはサポート資金として莫大な金額を提示したそうです。しかし、両親は無名時代から支援を続けてくれた日本に恩義を感じていた。そんな両親の思いもあり、日本代表として登録することを選んだそうです」(前出・テニス関係者)

※女性セブン2019年2月14日号

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