その後の活躍はいうまでもない。日本代表に定着するばかりか、代表史上初となるW杯最終予選4試合連続得点も記録した。ハリルホジッチ体制下では、慣れないボランチで起用されても、「日本が勝つために仕事がしたい」と不満は一切口にせずに必死にプレーし続けた。ポジションや処遇に一喜一憂していたかつての姿は垣間見えなくなった。

 ロシアワールドカップのベルギー戦、ゴールを決めた原口が真っ先に飛びついたのはベンチにいた槙野だった。

 そして今回のアジアカップ。日本代表チームの8番は、若き日の過ちを乗り越え、成熟したサッカー選手そのものである。それは、数々の間違いから何かを学んだ若者の姿ともいえるだろう。

 失敗は乗り越えられる。多くの人に見守られながら、原口元気は決勝のピッチに立つ。

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