新潟市の胃がん検診では、バリウム検査よりも胃内視鏡のほうが、発見率が3倍高かったというデータがある。
内視鏡は年々進歩しており、現在は従来の100倍の倍率で患部を観察できる「拡大内視鏡」も登場している。
その半面、患者にとってつらいのは「挿入時の不快感」だ。東京国際クリニック副院長で、消化器内科医の宮崎郁子医師が解説する。
「以前は異物が体内に挿入される恐怖や痛みで敬遠する人が多かったが、最近はカメラの性能が向上し、負担はずいぶん軽減されました。大腸内視鏡は下剤を2リットル程度飲む必要がありますが、鎮静剤の使用により不安や緊張は緩和される。約20分ほどで検査は終了します」
胃内視鏡では、鼻からカメラを入れて痛みや吐き気を抑え、検査中に会話もできる経鼻内視鏡も登場した。
大腸内視鏡では、検診時の「恥ずかしさ」もハードルとなる(特に女性が男性医師による処置を嫌うケースは強く、女性に大腸がんが多くなる一因といわれる)。だが、そのデメリットを解消する新技術も登場している。
「長さ約3センチ、幅約1センチの小型カプセルにカメラを内蔵した『大腸カプセル内視鏡』ならば、水と一緒に口から飲むだけで病変を撮影して診断でき、その後は自動的に排泄されます。導入する医療機関も増えており、従来の大腸内視鏡を敬遠していた人の受診も増えると期待されています」(医療経済ジャーナリストの室井一辰氏)
ではどれくらいの頻度で検査を受けるべきか。