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2019.02.03 16:00  NEWSポストセブン

「ネットで墓参」も… 葬祭ビジネスはさらなる拡大へ向かう

「お坊さん便」に対して仏教界が噛みついたように、葬祭ビジネスには旧態依然とした慣習が数多く残っている。逆に言えば、そうした慣習を合理的に分かりやすくすれば、それがビジネスになるわけだ。

 たとえば、自分史。その人の人生──持っている写真や記録、記憶を一つにまとめるビジネスで、私は10年以上前から提案している。日本経済新聞の「私の履歴書」は、私に言わせれば、経営者たちが捏造した嘘八百の自分史だと思うが、あれを個人レベルに落とし込んであげるのだ。学生バイトなどをうまく使って、高齢者の人生をデジタル化するのである。

 その際、通夜や告別式に誰を呼びたいのかといったことも聞き出してリスト化する。さらに四十九日、一周忌、三回忌などの法事の案内名簿もリスト化し、案内状の送付をはじめ一切合切を請け負う。それらをひっくるめてパッケージ化すれば、けっこうな料金を取れるはずだ。

 また、葬儀に出る側に対してもサービスを充実させればよい。たとえば、Web上に特定の人しかアクセスできない「葬儀会場」を立ち上げる。そこでは、香典をクレジットカードで納めることができる。施主は訪れてくれたことが分かるので、誰が手を合わせてくれたか、簡単に把握できる。香典返しも自動的にリストが作成され、手配も簡単にできる──という仕組みを作るのだ。

 墓参代行サービス業も、全国各地に登場している。これらをネットと連動させてお参りした様子を施主と共有できるようになれば、もっと広まるはずだ。つまり、墓参をビデオで見られるようにし、献花や焼香、掃除なども代行サービスを使う。これら終活を始めた時(自分史の編纂)から七回忌くらいまでの法事の費用まで推計すると、4兆円に達するのだ。

※大前研一・著『50代からの「稼ぐ力」』(小学館刊)より一部抜粋

【プロフィール】おおまえ・けんいち/1943年福岡県生まれ。1972年に経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。本社ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年退社。以後、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして幅広く活躍。現在、ビジネス・ブレークスルー(BBT)代表取締役会長、BBT大学学長などを務め、日本の将来を担う人材の育成に力を注いでいる。

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