国内

ふるさと納税・泉佐野市長「100億円還元やめるつもりない」

大阪・泉佐野市の千代松大耕市長(時事通信フォト)

 淡々とした物言いながらも、大阪・泉佐野市の千代松大耕市長(ひろやす・45)は怒りの拳を握りしめていた。「ふるさと納税」をめぐる総務省との対立が表面化して以来、千代松市長がメディアの単独取材に応じるのは初めてのことだ。

「地方自治体の意見も聞かんと、一方的に、“従わない自治体は身勝手だ”と言う総務省こそが、身勝手なんじゃないかなと私は思います」(発言部分は以下、千代松市長)

 実質自己負担2000円(自己負担2000円で済む寄付の上限額は年収や家族構成によって異なる)で豪華返礼品を受け取れるとして大ブームとなった「ふるさと納税」。泉佐野市は2017年度に集めた寄付金の総額が約135億円で日本一だった。

 一方で、制度を所管する総務省は、泉佐野市のような寄付額の5割相当の返礼品を贈り、かつ地元の特産物ではない返礼品を多く用意する自治体の存在を問題視。返礼品は「寄付額の3割以下」「地場産品に限る」という原則を厳格化し、守らない自治体に対しては、今年6月以降ふるさと納税制度から除外する地方税法の改正案が今国会で成立する見込みだ。

 本格的な規制強化を前に、泉佐野市は2月1日から「100億円還元閉店キャンペーン!」と銘打ち、100億円分のアマゾンギフト券の提供を開始。法改正前の需要を見越しての取り組みだったが、これに敏感に反応した石田真敏総務相は2月12日、3月末までの“キャンペーン”も、6月以降の除外の判断材料にすることを検討すると表明。泉佐野市を名指しで「身勝手」と批判し、牽制したのだ。

「大臣の発言は、泉佐野市を選び、泉佐野市に今まで寄付していただいた約300万の“納税者”の方々にも大変失礼やと思いますね。

 これまでおよそ5年、アイディアを出し合い、知恵を絞って日本一になった。ただ、地元の業者を通しているとはいえ、地元の特産品ではない返礼品を贈ってきたのは事実です。そういう点が目立って、規制につながったのでしょう。まるで“泉佐野つぶし”のようにも感じます。もちろん、法が施行されればきちんとルールに従います。ですが、本当にこれでいいんかな、と思います」

関連記事

トピックス

東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
津波警報が発令され、ハワイでは大渋滞が発生(AFP=時事)
ハワイに“破壊的な津波のおそれ” スーパーからは水も食料品も消え…「クラクションが鳴り止まない。カオスです」旅行者が明かす現地の混乱ぶり《カムチャツカ半島地震の影響》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
牛田茉友氏はNHKの元アナウンサーだったこともあり、街頭演説を追っかける熱烈なファンもいた(写真撮影:小川裕夫)
参院選に見るタレント候補の選挙戦の変化 ラサール石井氏は亀有駅近くで街頭演説を行うも『こち亀』の話題を封印したワケ
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン