◆記憶力アップ!
ボーっとしてDMNが活性化する時、脳内では「記憶の整理・定着」が行なわれているんだって。
「脳を“図書館”に喩えると分かりやすいです。図書館に日々、新しい本が入荷されても、その本をどの棚に配置するかを整理する休館日がなければ、大量の本が整理されず、混乱する一方です。
それは記憶も同じ。新しく覚えた情報や経験は、ボーっとしている時に整理されるので、思い出したい時に適切な記憶を引き出すことができるようになるのです。逆に、ボーっとする時間がないほど忙しく働いている人は、物事や人の名前が整理されず、記憶をうまく引き出せなくなって『物忘れ』を起こしやすくなってしまいます」(同前)
さらに、「認知症」との関連の研究も進んでいます。
「アルツハイマー型認知症患者の脳では、DMNの中でも、脳の異なる領域同士を連携させる“ハブ機能”を持つ部分の萎縮が顕著であることが分かっていて、ボーっとして脳が活性化することで、認知症の予防になる可能性が指摘されています。
2014年の米ハーバード大学医学大学院の研究で、軽度認知症患者を、通常の治療を行なうグループと、瞑想のようにボーっとする治療法を行なうグループの2つに分けて認知機能テストをしたところ、後者のほうがDMNが活性化し、好成績をおさめたんだよ」(同前)