その瞑想治療法は「マインドフルネス」と呼ばれ、ボーっとする方法を医学的に研究して定義づけたもの。あのスティーブ・ジョブズも実践したといわれています。脳生理学者の有田秀穂さんが教えてくれました。

「ボーっとするといっても何か別のことを考えていたり、邪念が入ることもありますよね。マインドフルネスでは、僧侶が瞑想するように無心の状態を作ります。そうすることで、脳内に“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンという神経伝達物質が分泌されやすくなります。セロトニンが増えると、うつ病や不眠症の改善につながります」

 他にも、DMNが活性化すると、頭痛や腰痛などの慢性疼痛の改善が見られたというデータもあります。では、邪念が入らないようにして、効果的にボーっとするにはどうしたら良いでしょうか。

「座禅を組んで瞑想をしなくても、散歩やウォーキングなどのリズム運動をしたり、ガムを噛みながら目をつむって情報を遮断する、といっただけでも脳の活性化につながります」(同前)

◆「ずっとボーっと」はダメ

 ただし、ずっとボーっとしていればいいわけではありません。大切なのは、ボーっとする時間と集中する時間のメリハリをつけることだといいます。

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