国際情報

「拉致被害者2名生存情報」今後の日朝関係にどう影響するか

米朝首脳会談で拉致問題は進展するか(AFP=時事)

 日韓関係の停滞と対照的に、否応なく日朝関係は変化を迫られている。拉致被害者の田中実さん(失踪当時28)と金田龍光さん(同26)が北朝鮮・平壌で妻子と暮らしている──2月15日に配信された共同通信の“スクープ記事”によって、拉致問題が新たな展開を見せた。この情報は今後の日朝関係にどんな影響をもたらすのか。金正男を独占取材した“金王朝を最もよく知るジャーナリスト”の五味洋治氏が、日朝の駆け引きを解説する。

 * * *
 田中さんと金田さんの生存そのものは、北朝鮮から日本に伝えられた情報として昨年以降、すでに複数回報じられているものです。ほぼ同じ内容の記事がなぜ改めて配信されたのか。背景には、日本と北朝鮮それぞれの思惑が隠れています。

 記事ではニュースソースとして〈政府関係者が明らかにした〉と書かれていますが、私の聞くところ、共同に情報をリークしたのは外務省関係者だといいます。

 背景にあるのは米朝接近への焦りです。米朝首脳会談によって両国が公式な外交関係樹立に向けて動き出せば、日米韓で日本だけが北朝鮮と正式な政府間協議すら行なえていないことになる。このまま行けば対北朝鮮関係で孤立化してしまう。強い危機感を抱いた外務省サイドが情報を流して拉致問題に対する関心を喚起し、日露交渉に比重が置かれた現在の日本政府の外交バランスを修正したいという意図があった。

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン