ビジネス

マンションの大規模修繕は必要なのか 悪質コンサルも存在

巨大な金額が動くマンションの大規模修繕には思わぬワナも(写真はイメージ)

巨大な金額が動くマンションの大規模修繕には思わぬワナも(写真はイメージ)

 分譲マンションでは10数年に1度の割合で「大規模修繕工事」を行うケースが多い。街を歩いていると、足場を組んで外壁の修繕工事を行っているマンションを見かけることも多いはずだ。工事は区分所有者である住民がコツコツと溜めてきた多額の修繕積立金が使われるわけだが、「そもそも一様に大規模修繕は必要なのか」と疑問を呈するのは、住宅ジャーナリストの榊淳司氏だ。

 * * *
 分譲マンションの大規模修繕工事は何をやっているかというと、主に外壁タイルの補修だ。外壁タイルは建物の主要躯体であるコンクリートの表面に、セメントと砂を水で練った接着用のモルタルで貼りつけられている。そのモルタルが劣化するとタイルが剥がれてくる。剥がれたタイルが落下して、地上にいる人間に当たると大けがをする可能性がある。

 もしそうなった時に責任を負うのは、そのマンションの所有者だ。具体的には管理組合が損害賠償責任を負う。

 外壁タイルが剥がれているのは、ある程度目視で分かる。いわゆる「タイルが浮いている」という状態になるのだ。そういう状態が複数か所見つかると「外壁の修繕工事が必要だ」ということになる。そのために足場が組まれるのだ。これには多大な費用がかかる。

 まずは、そもそも論で考えたい。マンションの外壁にはなぜタイルを貼る必要があるのだろう。これは建築構造上必要なわけではなく、100%見栄えをよくするためである。そのほうが高級そうに見えるからだ。

 世の中には外壁にタイルを貼っていないマンションもたくさんある。20階以上のタワーマンションの外壁にタイルが張られているケースは少ない。タイルっぽく見えるALCパネルを貼っている場合はたまにあるが、そもそも、マンションの外壁にはタイルを貼る必要はないのだ。

 それに変わるものとして「吹付けタイル」というものもある。時間が経てば凝固する液体をコンクリートの壁に吹き付けるのだ。これで雨風が直接躯体コンクリートに吹き付けるのを防ぐ。一枚一枚タイルを貼ることに近い保護効果が得られるのである。

 また、どうしてもタイルを貼りたいのなら性能の安定しないモルタルよりも、剥離の可能性が軽減される接着剤を使えばいい。多少費用はかかるが、モルタルよりも耐用年数は長い。その費用の差は、大規模修繕で足場を組む費用の数10分の1でしかない。

関連記事

トピックス

世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン