国内

暴力団幹部「不動産投資詐欺は真心をこめて人を騙す」

不動産投資詐欺を暴力団幹部が解説

不動産投資詐欺を暴力団幹部が解説

 警察の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、特殊詐欺の最新事情についてレポート。

 * * *
「警察は、事件が発生してからでないと捜査しないからね。捕まえる前のことや、事件になる前のことは、よく知らないのが現状だ。当然、俺たちも捕まる前のことについて警察に情報を漏らしたりなんてしない。やり口なんていくらでもあるんだよ。振り込め詐欺にしてもな。オレオレで流行したような手口なんて古い、古い」

 特殊詐欺の手法は次から次へと変化しており、警察の取り締まりとイタチごっこの様相を呈している。今の特殊詐欺について話を聞こうと、暴力団幹部を訪ねた。

 取材場所として指定されたのは六本木のカフェ。大きな窓から柔らかい日差しが差し込み、とても心地よい。雰囲気はスタバやタリーズに似ていて今風のカフェだが、隣の席との距離は離れている。

「特殊詐欺なんていわれても、別に特殊なことをやっているわけじゃない。ちょっとした法の網目やシステムの穴を探して使ったり、人の心理を利用したりして手口を考えてるだけなんだけどね。やり口はそれぞれだ」

 幹部が注文したのはアイスコーヒー。シロップとミルクはなし。

「オレオレのなりすましは劇場型の振り込め詐欺だろ。複数のやつが役割分担を決めて電話をかけて、驚かせてあせらせてね。電話をかけるのも、今の主流はフィリピンや韓国からだね。転送サービスを使えば、簡単に03や090発信にできるからさ。本局を向こうに持っていって、日本人がやっている。日本だと経費がかかるし、海外だから捕まらない」

「還付金詐欺はやっても微々たる金しか入ってこない。薄利多売だよ。詐欺としては息は長いけどね」

「保証金詐欺も一時期は多かった。ターゲットに『こちらは△△救済センターです』と電話する。“振り込め詐欺救済法”を利用した手口だ」

 この法律は、振り込みを利用した詐欺被害に対して、回復分配金を受けとれるという救済だが、申請が必要で、犯人が預金口座からお金を引き出す前でなければ効力がない。

「ここがミソ。この救済法は詐欺の相手に振り込みしていることが条件だから、ターゲットとしては金を取りにきた相手に直接、現金を手渡したやつを狙う。条件から除外されているやつらさ。この手口は手がこんでいたが、電話が2台あればいいからね。やっていたのは日本人。今はもっと手口が巧妙だけどね」

 苦笑いしながら、幹部がアイスコーヒーをすすった。

 手口が巧妙とはどういうことか?

「最新のやり方は教えられんけどね。似たような話はいくらでもある」

 後から足音が聞こえると、幹部は話すのを止めてグラスに手を伸ばした。席の横を人が通り過ぎるのを待つ。幹部が話し出したのは不動産投資についてだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン