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免疫力UPさせるにんにく、生食と加熱調理の効能の違い

がん予防効果が高い野菜のひとつとされるにんにく(写真/アフロ)

「コーヒーを飲むとがん予防になる」「コーヒーを飲みすぎるとがんになる」――両方ともネットやメディアでいわれていることである。つまり、「何を食べれば健康にいいか」の情報はそれだけ諸説あり、あやふやなものだということ。本誌・女性セブンでは食と健康に長年携わってきた識者への取材と統計に基づいた「本当に健康にいい食べ物」を取材した。

 25人の「食と健康のプロ」に「自然治癒力や免疫力を上げる食べ物ベスト5」を挙げてもらい、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計。5点以上を獲得した食品を掲載した。

 その結果上位は、1位は納豆、2位にんにく、3位ヨーグルト、4位しょうが、5位みそという結果となった。

 2位のにんにく、4位のしょうがと、クセのある野菜も評価が高かった。星子クリニック院長の星子尚美医師はにんにくに熱視線を送る。

「あの小さな塊の中に、B1、B6、Cなどのビタミン類やカリウム、食物繊維がギュッと詰まっています。さらに特筆すべきは、においのもとになっているアリシンという成分。免疫力をアップさせるほか、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やしてくれるうえ、血圧を下げる、血糖値を下げる、血液をサラサラにするなど数え切れないほどの健康効果があるんです」

 さらに特筆すべきは、にんにくには加熱するかどうかで効能が変わるという特徴もあるということ。

「生にんにくには抗菌、抗ウイルス作用があり、食中毒や風邪の予防になります。この効果を引き出すには、すりおろして食べるといいですね。一方、加熱するとアリシンがアホエンという成分に変わり、抗がん作用が生まれます。ただしこれは低温加熱が条件なので低温の火や油で調理してください」(星子さん)

 しょうがも、古来から生薬として漢方に使われるなど、さまざまな効能のある食べ物として知られてきた。工藤内科副院長の工藤孝文さんが解説する。

「しょうがは葛根湯などにも使われる万能薬。胃腸を整える健胃作用に加え、便秘や下痢にも効くので、漢方系の胃腸薬にも必ずしょうがが入っています」

 優れた効能の秘密は、ジンゲロールやショウガオールといった辛み成分にあるそうだが、にんにく同様、しょうがも加熱によって健康効果が変わる。

「生のしょうがにはジンゲロールが多く、殺菌作用や免疫細胞の活性化、抗炎症作用などさまざまな効能があります。ただし、ジンゲロールは酸化しやすく、空気に触れて3分後には減ってしまうので、食べる直前にすりおろしてください。

 ジンゲロールは熱を加えるとショウガオールに変化し、血行をよくして体を温める作用に変化します。冷え症で悩んでいる女性は、スープや温かい料理に加えてください」(星子さん)

 免疫学に詳しい医師の藤田紘一郎さんは、酢に漬けて食べることを推奨する。

「酢に漬けることで腸内の善玉菌が一気に増えるというデータがある。腸内環境の改善効果が格段にアップするからです。酢に漬けたしょうがをそのまま切って食べてもいいし、すりおろして料理に入れてもいい。豆乳に入れてはちみつを加えてドリンクにするなど、お好みの形で召し上がってください」

※女性セブン2019年4月11日号

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