本来、休み続ける横綱は引退だが、今は初場所で引退した稀勢の里の“前例”がある。
「稀勢の里は横綱になって最初の場所での優勝と引き換えに左大胸筋を負傷し、翌場所から途中休場を含めて8場所連続で休んだ。遡れば貴乃花が2001年5月場所で優勝と引き換えに右膝を負傷し、7場所連続で全休した例もある。つまり、東京五輪までの『8場所』というのは、休場続きでも引退せずに済む期間ということになる」(ベテラン記者)
実際、千秋楽翌朝の白鵬は「なんとなく稀勢の里の気持ちがわかる」とコメントし、わざわざ自分のケガと重ね合わせてみせた。
「稀勢の里がケガに苦しんでいた時は、白鵬が先んじて休場を表明し、稀勢の里が“上位陣が揃って不在というわけにはいかない”と強行出場せざるを得ない状況を作り出しているフシもあった。今の一番人気は貴景勝ですが、同様に“ガチンコ場所の負傷リスクはお前が負え”とばかりに休む展開が考えられる」(同前)
※週刊ポスト2019年4月12日号