今、数字が取れる三大ドラマといえば刑事、弁護士、医師であることは疑いようもない事実である。刑事が対峙するのは憎き犯人であり、さらには難事件だ。弁護士は、誰もがさじを投げるほどの形勢不利な案件を担当し、医師はわずかな生存率の患者の命を救う…。つまりはドラマの序盤に、どれだけ大きな難局があるかを描くことが、視聴者の興味を惹くための重要なポイントなのだ。それが引っ張りとなり、推進力となり、その後を見続けるモチベーションとなる。
“逆転バラエティー”もその法則に基づき、壁が高ければ高いほど、敵が大きければ大きいほど、それをクリアしたとき、視聴者の拍手喝采も大きくなる。
もちろん、物語の主人公にとっても、人間としての強さが試される瞬間であり、感情が剥き出しになる場面であろう。そんなある種、泥臭い人間模様を描く番組は、よりスマートに、便利になった今の時代にこそ求められるソフトなのではないだろうか。
平成が終わりを迎える今、新たな時代への希望とともに、将来の生活についてなどさまざまな不安は絶えない。そんな漠たる不安を一瞬でも消し去ってくれるということからも、今後も“逆転バラエティー”は増えていくかもしれない。(芸能ライター・飯山みつる)