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iPhone不振でどうなる? アップルの勝算占う3つのポイント

プライバシーは“エッジ”で守る

 アップルは、フェイスブックのようにクラウドに個人情報を大量収集するのではなく、スマホ端末側、つまり“エッジ”で処理する方向性に進んでいる。端末で処理するアップルの方法であれば、個人情報もきちんと保護できる。つまり、iPhoneユーザーのプライバシーはiPhoneで守るということだ。

 しかし、エッジで多くの処理をするためには、端末の処理能力を大きく向上させることが必須だ。iPhoneのCPUにおいて、低消費電力を保ちながら性能を大幅に向上させていく動きが2018年10月に登場した新型iPhoneXシリーズで見て取れる。アップルはハードもソフトも自社で開発してきたが、さらにCPU設計にまで乗り出していた。それはまさにエッジの性能アップを図ってのことだった。

 意外かもしれないが、個人情報をどう扱うかという点は、アップルの勝算に一番大きく影響するかもしれない。中国のスマホ企業は個人情報の扱いなど知らん顔だからだ。個人情報かそれとも値段か──消費者はどっちを選ぶだろう?

 個人情報に対し高い問題意識を持つユーザーなら、プライバシーを守るiPhoneを選ぶかもしれない。それは新しい“アップルプレミア”とも言える。

 ただし、それは先進国、民主主義国のユーザーに限られる事も付け加えておこう。中国は?……言わずと知れたことだ。それでも、プライバシーを守る流れは欧州で加速し、「iPhoneはプライバシーを守る」という切り口は、アップルに新たな勝機をもたらすに違いない。

●たけうち・かずまさ/経営コンサルタント。コンサルティング事務所「オフィス・ケイ」代表。松下電器(現パナソニック)を経てアップルで勤務。著書に『イーロン・マスク 世界をつくり変える男』(ダイヤモンド社)ほか多数。最新刊『アップル さらなる成長と死角』(ダイヤモンド社)が2019年3月に発売。

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