プライバシー問題をどう扱うか
アップルの勝算を占う3つ目のポイントは、“プライバシー問題”だ。まず、GAFAから話しておこう。
マスコミは「GAFAは個人情報を独占して金儲けに利用している」とこぞって批判しているが、それは間違っている。そもそもアップルは個人情報を集めて金儲けをする会社ではない。iPhoneやiPadなどモノを販売して利益を上げる会社だ。
一方、フェイスブックやグーグルは広告収入でガッポリ儲けていて、個人情報こそが儲けの源泉だ。フェイスブックの売り上げの約98%が広告収入である。
フェイスブック利用者が、プロフィールに出身地や趣味や好きな映画や本など個人情報をたくさん書き込めば書き込むほど、フェイスブックはその人物がどんな人か、より理解する。「いいね」を100回もクリックしようものなら、親友よりも両親よりもその人のことをフェイスブックは理解してしまう。クラウドを通じて個人情報がたくさん集まれば集まるほど、フェイスブックの広告収入は増え続けるのである。
翻ってアップルはグーグルビジネスモデルが根本的に違っているわけで、GAFAとひとくくりに言われることにティム・クックは苛立っている。
「もしわが社(アップル)が、顧客を商品だと思い、それで金儲けをすれば、我々は多額の利益を上げることが出来る。だが、我々はそれをしない道を選んだ」とCEOクックはインタビューで明言していた。アップルは個人情報で金儲けはしない。