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年金の受取先を地銀や信金の普通預金口座にするメリットとは

ちょっとの工夫で手にする額は変わる

 年金や退職金をどう管理するかは、極めて重要だ。年金や退職金は受取口座の選択によって多くの“果実”を得られる。たとえば60歳で退職したAさんが、3000万円の退職金を受け取った場合、近くの地銀の「退職金専用定期預金」に全額預けたケースでは、現役時代の給与振込先のメガバンクの普通口座に同様に3000万円を預けたBさんとは約50万円の差がつくこともある。

 そして、退職金を受け取った後の次の口座変更のタイミングは、年金の受給が始まる65歳だ。

 口座変更の考え方は、年金を「貯蓄に回す」か、「生活費に充てる」かによって変わってくる。現役時代に蓄えがあり、年金を貯蓄に回す余裕がある人は、「年金定期預金」を検討したい。ファイナンシャル・プランナーで社会保険労務士の和田雅彦氏が語る。

「年金受取口座に指定した金融機関で金利の優遇を受けられる定期預金です。地銀や信金などが売りにしており、条件はそれぞれ異なりますが、100万~500万円を上限に、0.03~0.05%程度の金利優遇があるものが多い」

 Aさんは、現役時代から継続して使っていた普通口座に比べて、50倍高い年利0.05%の年金定期預金に預け入れたため、その恩恵を受けることができた。

 一方、年金を生活資金に充てる人も、現役時代の口座のままだと、損しかねない。

「勤めている間は、職場近くや出先でもATMから現金を引き出しやすいメガバンクを選んでいた人が多いと思います。しかし、仕事を辞めると自宅にいる時間が増えて、行動範囲が狭くなるため、地元の地銀や信金の口座に変更しても、問題は生じにくい」(同前)

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