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2019.04.21 16:00  NEWSポストセブン

マネ虎・岩井良明社長「若者よ、就職することは恥じゃない」

◆“社会を知る” これが社会人への第一歩

──ちょっと、僕の話をしてもいいですか。僕は大学卒業後、3年間くらいプラプラしてたんですよ。その間、就職活動もせず「働きたくない……」とただ思っていました。ものすごいモラトリアムを抱えていたんです。

岩井:「働きたいか?」と聞かれれば、僕も働きたくないですよ。でも、大学を卒業した22歳の大人は自分で飯を食っていかなきゃいけない。その時、よほどのことがない限りは起業なんかできない。しばらくの間、アルバイトをして好きな仕事を見つけるなんて人もいる。でも、これは責任感が求められない仕事ですよね。僕の中では経験に入らない。20代後半にもなった日には、履歴書が汚れてるだけ。

 兎に角、やりたい仕事なんて見つからなくていい。まず、企業で働く経験が必要なんです。それは、仕事の中身を知るためじゃない。“社会を知る”ために企業で働くんです。

──自分もそうですが、モラトリアムなヤツほど理想が高いじゃないですか(笑)。

岩井:多くの大学生がヨシムラさんと同じく「やりたい仕事が見つからない」と言っていますよ。見つからないのは当たり前、経験がないんだから! やりたいことを見つけようとはせずに、直感で良いんです。「なんとなく来年、ここで働いているイメージが湧く」、そんな第六感を信じてやるしかない。

 大学4年間で本当に身になることを得る人の方が少ない。ほとんどが普通の人ですよ。だったら、お金を貰えて修行ができる就職がベター。人に揉まれて、“社会を知ること”が第一歩だと思いますね。

──岩井社長が考える“社会を知ること”とは具体的にどういったことなんですか?

岩井:外に出た時に恥ずかしくない人間になることじゃないですか。

 例えば、うちの会社で3年間鍛えた人間が転職することもある。やっと使えるようになった! と思った矢先ですからね、本音を言うと腹も立つんです(笑)。しかし、その社員だった人と関係性が悪くなったわけではないので「たまには遊びに来いよ」と声を掛けます。

 しばらく経つと実際に来るんですよ。そこで新しい職場での様子を「どうだ?」と聞けば、皆一様に「ビックリするほど褒められます」と言います。転職先で「お前、一体どんな会社で育ててもらったんだ?」と聞かれるらしいんですよ。それは仕事ができるとかではなく礼儀。社会人として最低限のことが全部できるようになっているからです。僕だって、社員が辞めて他の会社にいった際、「前、どんな会社に居たんだ」とバカにされることだけは絶対に嫌なんです。

──“社会を知る”とは礼儀の問題なんですか?

岩井:理系の研究職などはちょっと違うかもしれませんが、最低限の礼儀が出来る子は、仕事上でも利益を被るんですよ。人間関係を上手に構築できますから。世の中にコミュニケーション能力を必要とされない仕事はないんです。それを知るためにも社会へ出て、良いも悪いも学んでいくしかない。

 最近では、大学生が起業して、億万長者になることだってありますね。ただ、そういった社長ってよくトラブルに巻き込まれるでしょ。経営者の経験はあっても使われた立場がないことは、実は弱点なんです。部下として働く社員の気持ちが分からないから、問題が起こりやすくなります。

──ぼんやりとしたイメージですが、社長しか経験したことがない人には冷たい人が多そうな気がします。

岩井:自分が立ち上げた会社を、買収してもらって利益を得るだけで売り抜けようとして、一緒に頑張ってきた人たちを会社ごと捨てる人もいる。「古臭い!」と言われがちな僕から見ると、彼らがやっていることは本来の意味での起業とは違う。虚業だと思う。

 起業した会社を売って儲けたり、計画的に倒産して個人的な損失を小さくして、勝てた一部の勝者はいいですよ。でも、起業しないと一人前ではないと思い込まされて会社をまかされて実際は損ばかりしたり、勝手な人のもとで働いて巻き込まれた普通の人は大変ですよ。そこから復活することは、相当難しい。だから「就職することは恥じゃないよ」と伝えたいんですよ。腹くくって就職する社会を作りたい。

──どこかの企業に就職することを恥だと思う学生もいるんですね。

岩井:残念なことに「どうせ俺なんか何もできない。だから、就職するしかない」といった後ろ向きな考えの学生が沢山いるんです。就職することは、前向きなことですよ。

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