国際情報

中国、1年間で1000万人が失業 天安門の再来を事情通懸念

あの悪夢が繰り返されるのか

 中国の今年1~3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.4%増だった。これは、28年ぶりの低成長だった昨年全体の経済成長率の6.6%を下回る結果となり、中国経済の減速傾向が鮮明になった。これに伴い、中国では昨年1年間で約1000万人が職を失うなど、今後も失業ラッシュが続くことで、中国各地で激しい労働争議が発生することが予想される。

 中国では昨年7月からトランプ米政権が対中貿易赤字の拡大を理由に、中国からの輸入品への関税を増額するなど米中貿易戦争が勃発しており、中国経済に大きな打撃を与えている。

 中国国家統計局が1月21日に発表した2018年のGDPは実質で前年比6.6%増だったが、成長率は2017年から0.2ポイント縮小し、天安門事件の影響があった1990年以来28年ぶりの低水準となっている。

 このため、中国では対米輸出の比率の高い製品を製造している企業が影響を被っており、圧倒的な人気を誇ってきた米アップルのiPhoneの売れ行きに急ブレーキがかかっている。「世界のiPhoneの半分超を生産する」(中国メディア)といわれる河南省鄭州の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループでは、出稼ぎ労働者が増える繁忙期は従業員が40万人を超えるといわれるが、今年に入って、5万人規模の労働者を前倒しでリストラしたと伝えられる。

 今後も米中間の貿易戦争が激しくなれば、さらに失業者が増えるのは必至だ。中国国家統計局の調査では、中国の貿易産業で働く労働者は昨年下半期で、全体の2分の1が解雇されており、中国農業農村省は「740万人の農民工(出稼ぎ農民)が地元に戻った」と発表。

 さらに、中国の経済ニュース専門サイト「財新網」は昨年11月、「国内雇用低迷のため、202万件の求人広告が消えた」と報じたほか、「網易」も同時期、「今年上半期国内504万社が倒産、失業者数200万人超」との見出しを掲げた記事を配信した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン