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ワークマンvsデカトロンの戦い 前者が圧倒的優位な理由

 まず、ワークマンプラスの商品は既存の作業服店「ワークマン」に並んでいる商品ばかりで、専用商品を開発したわけではありません。ワークマンに並ぶ商品を抜粋して再編集したのがワークマンプラスとなります。

 そしてワークマンは値下げセールをしません。接触冷感Tシャツが580円、防水ブーツが1500円というように元から低価格ですから、値下げセールをすれば利益が吹っ飛んでしまいます。

 しかし、他の低価格カジュアル店、例えば「ジーユー」や「H&M」、フォーエバー21は値下げセールをしています。売れ残り品を処分するには値下げするのがもっとも簡単な売り方だからです。ではどうしてワークマンは値下げ処分をしないのでしょうか。

 それにはワークマンが作業服専門店だということが切り離せません。作業服もファッション化が進んでいるとはいえ、通常のファッション衣料ほどトレンドは激しく変化しません。それよりも着用者である作業員は気に入った商品なら何回も買い替えたいと考えます。このため、頻繁なモデルチェンジは必要ではなく、2~3年かけて売り切ることができます。

 一方のファッション衣料品は毎シーズン、デザインを変化させるため、そのシーズンのうちに不良在庫を処分する必要があります。このため、低価格ブランドでもさらに値下げして売り切らなければなりません。

 ワークマンでもっとも注目が高いのはやはり、防水透湿ジャケットの「イージス」シリーズではないかと思います。

防水性と透湿性にすぐれたワークマンの「イージス」シリーズ

防水性と透湿性にすぐれたワークマンの「イージス」シリーズ

 防水透湿というとゴアテックスという素材が有名ですが、何万円もするため、一般消費者にはなかなか手が出せません。ところがイージスシリーズは3900~5800円と非常に手ごろな価格です。同じ廉価版防水透湿ジャケットであるユニクロのブロックテック(5990円)よりも廉価です。

 防水透湿ジャケットというのは、本来は防水性と透湿性が数字で表記されねばなりません。イージスシリーズは値段によってその機能が違うのですが、例えば、2018年モデルの5800円ジャケットだと、「耐水圧10000mm、透湿度3000g/平方メートル/24h」と明記されています。

 ところがユニクロのブロックテックは透湿度が発売以来今に至るまで明記されていません。防水性についてはかなり高く、実際に台風の日に当方が着用したところ、雨はまったく浸み込んできませんでしたが、透湿性については明記されていないため、どの程度の性能なのかは不明です。イージスの方が価格的にも安いですし、機能性も上回っているのではないかと考えられます。

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