ライフ

立ち往生の車を押してやり未熟な運転手に負傷させられたら…

助けてあげた時にぶつかったら誰のせい?

 GWに遠出をして、車のトラブルに見舞われた人もいるかもしれない。時には車を押すような事態になることもあるが、運転者が未熟でケガをした場合、責任の所在はどうなるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 友人と雪山をドライブ中、坂道で雪にタイヤが取られ、立ち往生している車を発見。私たちは運転者に声をかけ、後ろから車を押すことに。しかし、運転者が未熟で車が勢いよく後退し、結果的に友人は足を負傷してしまいました。この場合、善意でしたことですが、友人は運転者に治療費を請求できますか。

【回答】
 自動車損害賠償保障法(自賠法)第3条では、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」と定めています。「自己のために自動車を運行の用に供する者」(運行供用者)とは、自動車の運行を支配して自動車の運行による利益を得ているものをいいますが、運転者は運行供用者に含まれます。

 この「運行によって」人身事故が起きたことが前提ですが、「運行」とは自動車をその装置の用い方に従い用いることをいいます。

 エンジンをかけて発進するのは、自動車本来の利用方法ですから、「その(自動車の)運行」です。そして友人のケガは、その運行により生じた因果関係のある条項によって生じたので、「運行によって」発生した人身事故といえます。

 そうであれば、運転者は友人のケガにより生じた損害を賠償する義務があります。この運転者の賠償責任の義務は極めて厳格で、運行供用者が運転に関して過失がなかったこと、ケガの原因は運行供用者や運転者以外の第三者に故意や過失があって発生したこと、自動車に欠陥がなかったことを証明しない限りは免れません。

関連キーワード

トピックス

インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
PTSDについて大学で講義も行っている渡邊渚さん(本人提供)
渡邊渚さんが憤る“性暴力”問題「加害者は呼吸をするように嘘をつき、都合のいい解釈を繰り広げる」 性暴力と恋愛の区別すらできない加害者や擁護者への失望【独占手記】
週刊ポスト