日本を代表する打者に成長した山田哲人(時事通信フォト)
在京球団でコーチ経験があるスカウトは、右打者隆盛の理由を「ピッチャーの投球スタイルの変化」に見ているという。
「かつては佐々木主浩のフォークや伊藤智仁のスライダーといったように“大きく変化する決め球”を持った投手が重宝されました。しかし、現在の球界ではカットボールやツーシームといった、手元で少しだけ変化してバッターの芯を外す“動くボール”を武器にするピッチャーが増えた。
とくに右投手のカットボールは、右打者にとっては対応しやすいが、左打者は内角に食い込んでくるため、詰まってゴロになるなどなかなか攻略できない。“動くボール”時代が右打者に有利に働いているのかもしれない」
時代の流れとともに生じた打撃・投球の理論の変化が、「右打者最強説」を生み出すのか─―今季の打撃タイトル争いは、そうした視点からも楽しめそうだ。
※週刊ポスト2019年5月31日号