ビジネス

マンション市場は崩壊寸前? 値引き常態化でも増える在庫

局地バブルの陰で供給過剰になりつつある首都圏マンション

局地バブルの陰で供給過剰になりつつある首都圏マンション

 首都圏のマンション市場は相変わらず“局地バブル”状態が続き、新築・中古問わず値上がりしている物件も多いが、水面下では売れ残りや在庫が徐々に積み上がっている。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、供給過剰に陥っているマンション事情をレポートする。

 * * *
 マンション市場は新築、中古ともに在庫水準をジワジワと膨らませている。不動産経済研究所によると、首都圏における2019年3月末時点での新築マンションの在庫は8267戸。2018年の3月末時点が6498戸なので、1769戸も増加している。割合にすると27%増ということになる。

 一方、東日本不動産流通機構(レインズ)によると2019年3月の首都圏における中古マンションの在庫は4万7784戸。2018年の3月時点は4万6240戸だから、こちらは1544戸の増加。同様に割合にすると3.5%だから、さほどでもないが増加は増加である。

 2013年以来、首都圏のマンション市場は局地バブル状態である。山手線の内側やその周縁部、城南エリア、川崎市の一部から始まった新築マンションの値上がりは今、グラデーション的に23区全般や川崎市や横浜市、埼玉県の都心寄りエリアにまで広がってきた。

 通勤に1時間程度を要する郊外エリアでも、新築マンションの価格は若干値上がりしている様子が窺える。建築費がここ数年、少しずつながら上昇を続けているのが原因だ。

 しかし、そういったマンションの売れ行きは総じて芳しくない。全体的には不振と言っていいだろう。在庫の実数は危険な水準に達しているように思われる。都心においても「誰が買うのか」と思えるような価格で新築マンションが売り出されている。案の定、誰も買わないので売れ行きは悪い。多くの物件では水面下で値引きが始まっている様子も窺える。

 中古マンションの在庫もわずかしか増えていないが、個々の物件に焦点を当てると危険な様子が垣間見える。

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン