これまでもマーケットの動きなどを分析する担い手として「経済ジャーナリスト」といった肩書きで、活躍する者もいた。だが今回挙げている起業家コメンテーターはまさしく、その最前線でビジネスを動かしている張本人。批判も擁護も、より重みがある。
5月12日の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、ゴールデンウィークあけ、会社を辞めたい本人に代わって連絡してくれる「退職代行」サービスに依頼が殺到したニュースを紹介した。
ここでコメントを求められたのが、初登場した北野唯我氏。就職サイト「ワンキャリア」の執行委員である彼は、「会社の役員をやっているので使われたら腹立たしく思うが、 本当にヤバい奴は飛ぶ(いなくなる)ので、飛ばれるよりも(このサービスを使ってくれたほうが)だいぶマシ」と述べつつも、「代行サービスを使わないといけないような会社を作ってしまった我々経営者が悪い」と自省を込めて語っていた。
2006年に証券取引法違反容疑で逮捕され、1年9か月の刑務所生活を送った堀江氏は、清廉潔白が何かと強いられるコメンテーターの中にあって異色の存在だ。4月26日の『5時に夢中!』では、逮捕から5年後の2011年に自身が収監されていることを前置きしたうえで、日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告の初公判や判決が出るのはそれより先になるのではと予想。さらに「(刑期を終えて)出てきたら、80超える。獄死だってありうる」と持論を展開していた。
◇芸人、弁護士、医師…コメンテーターの飽和
これまでコメンテーターといえば評論家やジャーナリスト、あるいは医師、弁護士、近年はお笑い芸人といった面々が占めていたが、それらがもはや飽和状態。起業家コメンテーターの台頭は、今まさに新たな人材を求める機運が高まっていると言える。それは、今回挙げた面々のほかにZOZO社長、前澤友作氏が注目を集めたことも潜在的に関係しているだだろう。才能とキャラクターの宝庫、起業家。これからどんなオピニオンリーダーが現れるのだろうか。(芸能ライター・飯山みつる)