芸能

AbemaTV3周年 テレ朝との連動企画で露見したネットの優位性

AbemaTV3周年テレ朝連動企画にはマツコも登場(イラスト/ヨシムラヒロム)

AbemaTV3周年テレ朝連動企画にはマツコも登場(イラスト/ヨシムラヒロム)

 ネット番組だから地上波よりも過激で、大胆な表現がしやすい。そんなことが言われているが、果たしてそれは過激で大胆なだけなのか。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、バラエティ番組が持つ骨太な面白さとはどこからやってくるのかについて考えた。

 * * *
 ここ2年間、毎週ウェブテレビについて記述してきた。当初は「ネタ不足にならなきゃいいけど……」と心配していたが、それも杞憂に終わる。今となってはタレントが自前のチャンネルを持つ時代、海外資本の動画配信サービスにも日本製作のコンテンツが増えた。

 YouTube、Amazonプライム・ビデオ、Netflixと取り上げてきたが、なかでもお世話になっているのがAbemaTV。サイバーエージェントとテレビ朝日の共同出資から生まれた局、ここでしか観られないオリジナルコンテンツが充実している。常に新しい企画が立ち上がるため、ニュースに事欠くこともない。よって、ネタに困ったときはAbema!と頼ることも多い。今年5月、そんなAbemaTVが開局3周年を迎えたという。

 なにごとも自ら祝うのがAbemaTV方式、今回はバラエティ番組に力を入れてきた。テレビ朝日で23:20~翌0:20に放送される『陸海空 こんなところでヤバいバル』(月曜)、『ロンドンハーツ』(火曜)、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(水曜)、『アメトーーク!』(木曜)とコラボ。テレビでは観ることができないAbemaTV特別バージョンが配信される運びとなった。

 特別版といっても番組ごとに趣旨は異なる。『陸海空 こんなところでヤバいバル』は既に放送された内容の再編集版、他の3つはオリジナルコンテンツを用意していた。なかでも『ロンドンハーツ』と『アメトーーク!』は、コンプライアンスが緩いと評されるAbemaTVだから配信できる内容に仕上がっていた。

 金曜21時台から火曜23時台に異動となった『ロンドンハーツ』。ゴールデンから深夜帯へ、業界的に言えば“降格”ということなのだろう。しかし、結果的には大成功。過激なことが許される時間帯になったことにより、番組は全盛期のキレを取り戻している。AbemaTVと連動した週の地上波放送では全ての時間を使い、狩野英孝と村上健志(フルーツポンチ)のケンカを特集。ただただ面白いだけ、観ていて人生の為になることはない内容。今時珍しい本当のバラエティ番組として機能している。

 取り戻した勢いそのままAbemaTVで配信された企画が「今の若手はウラでこんな事やってます ネットだからバラしていいよね15連発!!」。20代の若手芸人が集まり、暴露大会に興じた。

 そもそも『ロンドンハーツ』とは、ネットとの親和性が高い番組。なんたって、開始当初の名物企画が「一般人を対象とした恋愛ドッキリ」である。

 なかでも印象に残っているのが、一般男性にハニートラップを仕掛ける企画「THE TRIANGLE~ハマった女は彼女の親友~」。番組が雇った無名女性タレントが彼女持ち一般男性を逆ナン。男性は当然浮かれ、女性タレントに夢中になる。逢瀬を重ね(デートの様子も隠し撮りされている)、好き度がマックスになった頃合で、彼女のデート中に女性タレントが乱入。慌てふためく男性をモニタリングしつつ、女性タレントに指示を出す田村淳(ロンドンブーツ)。狼狽した男性は、爆笑必至の理解しがたい行動を必ずとる。ネット上で流通する露悪趣味と通ずる笑いを先取りしていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン