芸能

二宮和也も参戦! TV、映画で二宮金次郎がブームの兆し

意外に”謎”が多い二宮金次郎(映画『二宮金次郎』公式HPより)

 テレビや映画で最近、よく名前を聞く歴史上の人物が二宮金次郎だ。ちょっとしたブームになっているという。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。 

 * * *
 そんなわけであっという間に令和元年も進みつつある今日この頃。この元号の刷新気分に加えて、新札に「渋沢栄一」「津田梅子」「北里柴三郎」が登場するというニュースもあって、改めて日本の偉人って!?と考える機会が増えた。

 そんな中、今年一番の注目株偉人といえば「二宮金次郎」である…と断言してしまったが、「二宮金次郎」、“名前は聞いたことがあるけど何した人かはよくわからない偉人ナンバー1”ともいえる。確か何か背負って本を読んでいた石像を見たような? でも、頭はソフトなちょんまげだったよね?という方も多いかもしれない。

 その疑問のすべてを解決する映画、タイトルもズバリ『二宮金次郎』が公開された。私もさっそく見に行ったが、正直な感想は「こういう人でしたか…」。時代劇研究家を名乗っているくせに、知らないことだらけでびっくりの連続だった。

 そもそも二宮金次郎は、江戸時代の後期の人。早くに両親を亡くし、貧困の中で勉学と農作業に励み、その後、小田原藩の奉公人として財政立て直しに貢献した。その手腕を認められ、各地の疲弊した農村の立て直しを任される。その村の数は実に600!! しかし、現場では、保守的な農民たちに反発されたり、嫌な役人に殴られ蹴られの壮絶パワハラを受けたりと苦難の連続だ。泥だらけになり、私財を失っても村人のために奔走する金次郎。座右の銘は「積小為大」。こつこつ小さなことを積み上げれば、大きなことができる。いや~、まさに偉人。

 映画で金次郎を演じたのは、合田雅吏。かつて里見浩太朗主演の『水戸黄門』で原田龍二の助さんと旅をしたあの格さんである。映画では、金次郎と保守派の不良農民(柳沢慎吾)がぶつかる場面があるが、実はふたりとも地元神奈川出身で「小田原ふるさと大使」。ふるさと大使同士がいがみあっていたのである。

 さらに、二宮金次郎の心強い“ひとり応援団”といえば、嵐の二宮和也だ。『嵐にしやがれ』の「二宮和也の小っちゃな野望」のコーナーでは、廃校の跡地などにポツンと残された二宮金次郎の石像を各地の小学校に移転させるプロジェクトを推進中。

 企画第一弾では二宮が、青梅や岐阜、長野などに放置された金次郎像を日テレまで持ち込み、移転先を公募。先日の企画第二弾では、栃木の廃校から東京世田谷の小学校に金次郎像を運び、体育館で紙芝居で金次郎の人生を紹介したりして、こどもたちからキャーキャー言われていた。

 面白いのは、この企画では「小学校時代はずっと二宮金次郎と呼ばれていた」という二宮がわざわざソフトちょんまげ(これはおとなになる前のまげです)に薪を背負った姿になって、金次郎像と見つめ合い、「金次郎」「ありがとう和也」などと呼びかけ合うことである。
 
 ここまでくれば、二宮金次郎ブームは間違いなし。それにしても番組に出てきた石像の金次郎の顔は全部まったく似てないのが気にかかる。

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン