芸能

ザ・スパイダースが「ビートルズの前座」を断った理由とは

「夕陽が泣いている」は120万枚を超える大ヒット

 1960年代後半から1970年代前半にかけて一世を風靡したグループ・サウンズ(GS)。1961年に結成されたザ・スパイダースでベースを担当していた加藤充氏が、グループに加入したきっかけとビートルズの前座の話が来たときのエピソードを明かす。

 * * *
 10代の頃はギターを弾くといっても『湯の町エレジー』とか『影を慕いて』みたいな曲しかなくてね。そのうちFEN(在日米軍向けラジオ放送)から流れてくるハンク・ウイリアムスやハンク・スノウといったウエスタンの曲にのめり込んで……やがてサンズ・オブ・ウエストというバンドを組んでベースを弾くようになりました。その頃はウッド・ベースでした。後に京都では有名なナイト・クラブとなるジャズ喫茶「ベラミ」や大阪のジャズ喫茶「ナンバ一番」、三ノ宮の「月光」、神戸の「白馬車」とかに、電車で楽器を持って通ったものです。

 スパイダースに誘ってくれたのは克夫ちゃん(大野克夫)です。彼は後からサンズ・オブ・ウエストにスチールギターで入って来たんですけど、先にスパイダースにスカウトされて東京に行っていて、「今いるベースが体調壊しちゃったんで来てくれない?」と急に言ってきて。僕は将来、京都に帰って家業の寿司屋を継ごうと思っていたので、「2年だけ」というから引き受けたら、結局帰してもらえませんでした(笑い)。

 初期の頃は色んな外国人アーティストと共演しましたよ。エレキブームの時にはベンチャーズ、アストロノウツ、サファリーズ……新宿厚生年金会館でビーチ・ボーイズとも一緒にやりましたね。リバプールサウンドがブームになるとピーター&ゴードン、ハニーカムズ、アニマルズ。アニマルズといえば渋谷のリキパレスで彼らの前座をやった時、当時彼らの有名な曲だった『Boom Boom』って曲を先にやっちゃったんです。「まずいよ」って言ったんだけど、ムッシュが「オレ達のは向こうと違って踊りがついてるから構わないよ」って。イントロが始まったらボーカルのエリック・バードンが楽屋から出てきて、幕の間から見ていました(笑い)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
今年の”渋ハロ”はどうなるか──
《禁止だよ!迷惑ハロウィーン》有名ラッパー登場、過激コスプレ…昨年は渋谷で「乱痴気トラブル」も “渋ハロ”で起きていた「規制」と「ゆるみ」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン