だが、多くの選手から信頼されている一方で、平石監督のもとで調子を落としている選手もいる。
「選手会長として楽天を支えてきた嶋基宏(34)です。開幕から26回連続で盗塁を刺せず(6月11日現在、以下同)、盗塁阻止率.086はぶっちぎりの12球団ワースト。打率も.183と低迷し、7日に腰の炎症で2年ぶりに登録抹消されました。今季はエースの則本昂大(28)や岸孝之(34)を欠く中で、平石監督がうまくローテを回してきましたが、嶋の不調には有効な対策を見出せていない。同じ捕手出身の梨田昌孝・監督が昨シーズン途中に成績不振を理由に辞任しましたが、そういったことも影響があったのか……」(同前)
矢野監督と平石監督に共通するのは、「選手がプレーしやすい環境を整える」という点だ。
「矢野監督のように喜怒哀楽を前面に出して選手に慕われた監督といえば、阪神の故・村山実・元監督が思い浮かびます。試合後の会見で悔し涙や嬉し涙を流し、審判の判定に不服があれば必死の形相で抗議した。その姿は選手のモチベーションにつながりました」(スポーツジャーナリスト)
※週刊ポスト2019年6月28日号