「矢野監督は、選手のモチベーションを保つのがうまい。二軍で可愛がっていた9年目の苦労人、島本浩也(26)が一軍初セーブを上げた6日の試合後は、“メチャクチャうれしい。感動した”と喜びを爆発させた。
二軍監督出身だけあって、ファームに落とす選手には個人面談を行ない、改善すべきことを明確に伝える。時間がある限り二軍の試合にも視察に行く。下でもがいている選手にとって、いい刺激になってるんでしょう」
◆名監督、名選手にあらず
前出・金村氏が「阪神と同様にベンチのムードが良い」と評するのが、平石洋介・監督率いる楽天だ。
「平石監督も選手からの人望が厚い。12球団最年少の39歳の監督として、選手との年齢が近いぶん距離も近く、コミュニケーションを密にとる。対戦相手の映像を見て、投球の癖や傾向を分析し、打者の好不調時のスイングの特徴をノートに記録するなど、データや知識の引き出しを増やすことにも余念がない」(スポーツ紙デスク)
平石監督の入念な準備の背景には、「選手としての実績の無さ」への自覚があるという。
「プロ在籍期間は7年で、放った安打はわずか37本。高校3年生時には、PL学園のキャプテンとして甲子園に出場し、松坂大輔(38)擁する横浜高校と対戦しましたが、その際も“控えのキャプテン”でした。自ら『実績が無いから』と口にし、選手には決して偉ぶらない。そうした謙虚さが選手からは慕える兄のように見え、信頼につながるのでしょう。昨年、打率.247と調子を落とした茂木栄五郎(25)が復調し、ソフトバンクから移籍した山下斐紹(26)も代打起用に本塁打で応えるなど、若手の勢いが良い」(同前)